
3,500万人は、大会に出る選手だけの数字ではない
まず押さえたいのは、「競技人口」が何を表すかです。ここでの3,500万人超は、各国連盟の推計とFIPの分析に基づくアマチュアの人数です。プロ選手の数でも、連盟に登録している人だけの数でもありません。
レポートでは、プレーヤーの女性割合を40%としています。
これらの数字から競技の裾野を考えるとき、トップ選手だけを思い浮かべる必要はありません。休日に友人と遊ぶ人、少しずつ練習を重ねる人、ペアと大会に挑む人。これは一人ひとりの参加の仕方を数えた内訳ではありませんが、普段のコートの風景から競技の規模を想像する助けになります。
競技の強さと、楽しむ人の多さは違うものです。世界の大会結果とあわせて、競技人口のデータを見ることで、パデルを支える土台にも目を向けられます。
約7万7,300面のコートが、世界のプレーを支える
以下は2025年版レポートの掲載値です。集計時点は項目によって異なり、2026年現在の最新統計ではありません。
| 項目 | 2025年版レポートの掲載値 |
|---|---|
| アマチュアの競技人口 | 3,500万人超 |
| クラブ・施設 | 約2万4,600 |
| コート | 約7万7,300面 |
| 施設のある国・地域 | 150か国と20地域 |
「施設数」と「コート数」は別の数字です。一つの施設に複数のコートがあれば、その分だけコート数は大きくなります。また、ここでいう施設には、パデルをプレーできるクラブなどが含まれます。すべてがパデル専用の大型施設という意味ではありません。
国・地域の数は、施設がある地域の広がりを示す数字です。町ごとのコートの有無や通いやすさは、個別の施設情報で確かめます。実際に参加するなら、場所、料金、開催時間、募集プログラムを見てみましょう。
パデルを身近にするには、競技の規模を示す数字と、自分が遊ぶ場所を選ぶための情報の両方を見ることが大切です。
欧州が中心。中でもスペインとイタリアの存在は大きい
競技人口の地域別割合を見ると、欧州が61.3%、南米が19.0%。両地域で約8割を占めます。
コート数でも、スペインは約1万7,300面、イタリアは約1万200面と、大きな規模が掲載されています。
ここで気をつけたいのは、コートが多い国をそのまま「強い国」とは呼べないことです。施設の多さ、プレーする人の多さ、国際大会での成績は、それぞれ違う指標です。
ただ、海外の大会や選手のニュースを追うとき、背景にこれだけのプレー環境があると知ると、競技の見え方は変わります。トップ選手の試合を観ることも、その競技が日常でどう楽しまれているかを知ることも、世界のパデルを楽しむきっかけになります。
アジアでは、タイやインドネシアにも広がり
アジアの競技人口の割合は6.8%。レポートの地域分析では、タイやインドネシアなどを成長が見られる国として紹介しています。
世界のパデルを知るときは、欧州や南米だけでなく、アジアの動きにも目を向けてみましょう。
海外情報を読むときには、試合結果だけでなく、どんな施設ができたのか、どんな人が参加しているのかにも注目してみてください。同じルールで遊ぶスポーツが、違う地域でどう楽しまれているのか。その違いを知る面白さもあります。
日本の施設数や競技人口が同じ勢いで増えると予測する数字ではありません。地域ごとの環境や条件を踏まえて読んでください。
日本は25施設・53面・4万人という推計
同じレポートの日本のページには、2025年6月時点の推計として、次の数字が掲載されています。
| 項目 | 日本の掲載値 |
|---|---|
| クラブ・施設 | 25 |
| コート | 53面 |
| アマチュアの競技人口 | 4万人 |
世界の数字と比べると、日本の規模はまだ小さいことが分かります。ただし、この4万人も推計であり、全員を同じ方法で数えた名簿の人数という意味ではありません。
日本の数字を見ると、海外の大きな規模を知るだけでなく、国内で一回プレーするための情報が必要な理由も見えてきます。近くの施設、参加できるイベント、初心者にも分かる募集条件。一つの具体的な案内が、次のプレーにつながります。
日本の現在の施設数や人口を調べる際は、この2025年6月時点の値を、そのまま最新値として使わないようにしましょう。
「2025年版」でも、すべて同じ日に集計されたわけではない
こうしたレポートを読むとき、人数と同じくらい大切なのが、時点と調査方法です。
FIPは各国連盟の調査回答を集め、回答がない国などについては独自のデータや推計も用いています。また、掲載項目には異なる集計時点があり、表紙の年だけで一律に扱うことはできません。
クラブ・コートの増加についても、本文では前回から約18か月の比較が説明されています。それを「2025年の1年間で増えた数」に置き換えると、意味が変わってしまいます。
人数、登録者数、施設数、コート数。そして調査時点。この違いを押さえることで、大きな数字に驚くだけでなく、競技の広がりをより正確に捉えられます。
世界の広がりを、次の一試合の楽しみに
自分たちが返しているボールと、海外の大会で選手が追うボールは、同じパデルの一球です。
世界の規模を知ったら、次は試合の中に、いつものプレーと重なる場面を探してみませんか。壁から戻るボールを待つ位置、ペアとの距離、ロブを上げるタイミング。すべてをまねる必要はなくても、気になる動きが一つ見つかれば、次のゲームで確かめる楽しみになります。
世界で楽しまれている姿を知ると、日本でも競技に触れる機会が増え、ペアと楽しむ輪が広がる未来を期待したくなります。PADEL SPOTは、海外の動きと身近な参加情報の両方を届けながら、その楽しみを読者と分かち合いたいと考えています。
気になった国の試合を観るのか、近くで参加できるプログラムを探すのか。世界の数字から生まれた興味を、次に楽しむパデルへつなげてみましょう。
出典・データについて
国際パデル連盟(FIP)『World Padel Report 2025』の冊子pp.14–19、20–21、24–25、162、212を参照し、PADEL SPOTが独自の解説を加えました。全文翻訳ではありません。本文中の楽しみ方や数字の解釈は編集部の提案・解説です。
情報確認日:2026年10月7日。数字には推計が含まれ、集計時点は項目によって異なります。



